相続した財産に問題(欠陥)があったら?:相続人の担保責任
両親が所有していた2つの不動産を遺産分割でそれぞれ相続したAさん、Bさんのご兄妹。相続した土地を調べてみると、妹のAさんが相続した土地には土壌汚染が発生しており、利用価値がなく遺産分割時の前提が間違っていることが発覚しました。
Aさんは不公平だと感じていますが、兄Bさんへ何らかの請求ができるのでしょうか…?
アドバイス
相続財産に問題があった場合
現金や預貯金のほか、土地などを相続する方も多くなりますが、ごく稀に相続した財産に欠陥がある場合があります。
例えば、土地の一部が他人の土地の一部であったとか、本件のように土壌汚染や産業廃棄物の問題が発生している場合、面積が事前に聞いていた面積より小さかった場合などです。
そのような財産を相続した相続人は、他の相続人よりも損をしていることになりますので、他の相続人へ「担保責任(不適合責任)」を問える可能性があります(民法911条)。
相続人の担保責任(不適合責任)とは?
相続人が複数いる場合、その全ての相続人を「共同相続人」といいます。民法(民法911条)では、「各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売り主と同じく、その相続分に応じて担保の責任を負う」と定めています。
欠陥のある財産を相続した相続人は、他の相続人に比べて損をすることになって、相続が不公平なものになってしまいます。そこで民法は、相続の公平性を保つために、欠陥のある財産を相続した相続人が他の共同相続人に対して、損害賠償を求めることを認めています。つまり他の共同相続人は、それぞれの相続分に応じて担保責任を負わなければなりません。
欠陥のある財産を引き継いだ相続人は、不足分の補填を請求したり、場合によっては遺産分割協議を解除してあらためて協議をやり直すよう請求したりもできます。
このケースでは、相続した土地が土壌汚染されていたAさんが被る損害を、Bさんが何らかの形で補填してあげることが必要です。まずは相続人同士で話し合って、双方が納得し、円満に解決できる方法を考えましょう。
財産に欠陥があって担保責任を問えるケースの例
●土地や権利の一部が他人のものだった
●相続した土地が遺産分割時の想定よりも小さかった(面積の不足)
●土地に借地権や抵当権が設定されていた
●土地の土壌が汚染されていた
●債権が債務不履行になった
など
担保責任の指担保責任(不適合責任)の請求期限
欠陥のある財産を相続した人は、他の共同相続人に対して損害賠償を請求できますが、請求できる期限が定められています。相続した財産に欠陥があることを知ってから1年以内に共同相続人へ請求しなければなりません。具体的な取り立ては、その後5年以内に行う必要があります。したがって「20年前に相続した時点から知っていたが黙っていた」などという場合は請求することができません。
遺言による担保責任に関する指定
被相続人は遺言によって、相続人の担保責任に関する指定ができます。例えば、資力の少ない相続人について、担保責任を免除、限定するといった具合です。 被相続人の生前において、「遺産内容に不安がある」とわかっている場合、遺言書を作成して担保責任を免除しておくとトラブルの防止に役立ちます。
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