ご相談事例

遺産分割の後に遺言書が見つかったら?

父が亡くなり、父の遺産は遺産分割協議を経て相続人に分配されました。ある日、父の遺品を整理していると、遺言書が見つかりました。協議の内容とは異なるものでしたが、どうすれば良いでしょうか?

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遺言書と遺産分割協議について

遺言書は、亡くなった人(被相続人)が遺された親族に対して送る最後のメッセージであり、非常に大きな力を持っています。まず、覚えておいていただきたい重要なポイントは、遺言書にしたためられた内容は、最大限に尊重されるべきものとされており、法律で定められている法定相続分(遺産を受け取る割合)よりも優先されるという点です。ところが、このケースでは、遺言書を発見する前に遺産分割協議が執り行われ、被相続人の意思とは異なる形で財産が分配されていました。このような場合の対応について、以下で詳しく解説していきます。

相続人全員の意思を確認する

ご相談の内容は「遺言書の内容通りに、遺産分割をやり直す必要があるのか?」というものですが、このようなご相談は決して珍しいものではありません。先ほどもお話しした通り、遺言書の内容は最大限に尊重されるべきものであり、法定相続分よりも優先されるものとなります。したがって、基本的には「遺言書の内容に従う」ことになります。相続人全員が遺産分割協議の内容に納得していたとしても、後から発見された遺言書の内容と異なる場合は、協議の内容は無効となってしまうのです。

しかしながら、後から発見された遺言書の内容を確認した相続人全員が、既に行った遺産分割協議の内容を優先させたいと考えている場合は、遺産分割をやり直す必要はありません。このようなケースが起こった場合は速やかに相続人全員を集めて、遺言書の内容を確認するとともに、遺産分割協議をやり直したいかどうかの意思を確認するようにしましょう。

なお、発見した遺言書は、絶対にその場で開封してはいけません。遺言書を家庭裁判所に提出して「検認」の手続きを必ず行ってください。詳しくは「遺言書を発見したらどうすれば良い?」をご覧ください。

なお、公正証書による遺言のほか、法務局において保管されている自筆証書遺言書に関して交付される「遺言書情報証明書」は、検認の必要はありません。

再分割の協議が必要となる場合の例

後から発見された遺言書の内容を確認した後で、相続人の誰かが先に行われた遺産分割協議の内容に同意しない場合は、再分割の協議を行う必要があります。遺言書の中に「子どもの認知」や「第三者への遺贈」に関する内容があった場合は、認知された子どもや遺贈を受けた第三者も含めた相続人全員で、再分割の協議が必要です。相続開始後に認知によって相続人となった者が遺産分割の請求をする場合、すでに相続人による遺産分割協議が成立し、相続財産を処分していた場合には、価額による支払いを請求することができます。
遺言書では、その内容を確実に実現させるために「遺言執行者※1」を指定することができます。後から発見された遺言書で遺言執行者が指定されていた場合、再分割の協議が必要か否かは、遺言執行者の判断に委ねられることになります。

また、遺言者は、遺言で「財産を相続させたくない相続人」から相続権を奪うこと(推定相続人の廃除※2)も可能です。遺言書で廃除された人が相続人として遺産分割協議に加わっていた場合は、廃除された人を除いて再分割の協議を行います。

その他にも再分割が必要となる場合がありますので、このようなお困りごとが発生した場合は、お気軽に当事務所までご相談ください。

※1「遺言執行者」については「遺言書の内容を確実に実現するために:信頼できる遺言執行者選び」で詳しく解説しています

※2「推定相続人の廃除」については「財産を渡したくない相続人がいる:推定相続人の廃除」で詳しく解説しています

 

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