ご相談事例

未成年の相続と遺言書の効力

Aさん夫妻と養子縁組をしたB夫さんが、縁組前に生まれたCちゃんと縁組後に生まれたDちゃんの2人の子を残して亡くなりました。CちゃんもDちゃんも、Aさんには可愛い孫。自分の遺産を平等に相続させたいと思っているのですが・・・。

お困りごと解決!
弁護士からの
アドバイス

養子縁組の前と後に生まれた孫の相続について

たとえ血のつながりはなくても、「おじいちゃん、おじいちゃん」と懐いてくる孫は、たとえようもなくかわいい存在です。ましてや早くに父を亡くした子ども達なら、将来の事を考えて、少しでも多くのものを平等に残してやりたいとお考えになるのは当然のことでしょう。
連れ子は、そのままでは相続権がないことは、その26「連れ子に遺産を相続させるには?」で詳しくお話しましたが、Cちゃんは言わば、連れ孫。養子縁組以前に生まれた孫は、連れ子同様、法的には他人ですから、相続の権利はありません。
しかしご安心ください。Aさんが正式な遺言書を作成しておけば、2人のお孫さんに平等に遺産を分けることは可能です。
遺言状の効力については、前回のその42「子どものいない夫婦の相続:きょうだいに相続されない遺言書の書き方」でもお話ししていますが、引き続きご説明したいと思います。

代襲相続について

相続人が死亡していたり、相続欠格などの理由で相続ができない場合、民法で定められた特定の人=代襲者が代わってその分を相続することになっています。これを「代襲相続」と言います。

代襲者になるのは次の2つに当てはまる人です。
1】相続人の子→いない場合はその子(相続人の孫)→いない
場合はその子(ひ孫)・・・と続きます。
2】相続人の兄弟姉妹の子(相続人の甥や姪)→いない場合はここで終わりです。

Aさんの場合、相続人は、Aさんの妻とBさんですが、Bさんは既に亡くなっているので、Bさんの子が代襲者になります。法定相続分は二分の一ずつです。

ところが、養子縁組前に生まれていたCちゃんは、Aさんの血族とみなされません。従って、法律上はAさんの財産を相続する権利はDちゃんにしかありません。
そのため、Cちゃんにも遺産を承継させるためには、遺言書を作成し、遺産の半分を遺贈する形にしておくことが必要です。

記載にあたっては、遺言書の文例×30を参考にしていただければと思いますが、以上のように、Cちゃん、Dちゃんの法的な立場が異なるため、疑義のない形にするためには、弁護士など専門家への相談をおすすめします。

遺言書で指定できること

遺言書がない場合は、民法に規定されている一定の基準に従って相続が行われますが、遺言書があれば、被相続人の財産を誰がどれだけ相続するかは、基本的に遺言書に従って判断されることになります。

遺言書は、財産の処分方法の他、次の様な事が指定できます。
*非嫡出子や胎児の認知
*未成年者の後見人(親権者が死んだ時に未成年者の世話をしてくれる人)の指定
*後見監督人(後見人に不都合が生じた場合対応してもらう人)の指定
*推定相続人の廃除や廃除の取り消し
*遺言執行者の指定  等

遺言書は被相続人のラストメッセージです。遺言書の付記事項には法的な効力はありませんが、残された奥様やお孫さん達の生活に関する事柄なども付記事項として明記し、思いをしっかり伝えておくことは、決して無駄なことではありません。
Aさんの様な場合は、経験豊富な弁護士のアドバイスを受けながら、細かなことまで配慮し色々手はずを整えた内容にしておかれると安心です。情況の変化に合わせて、修正を加えていくことも可能です。

遺言書作成については「遺言書作成の基礎知識」や、その1「遺言書を作る前に知っておきたい4つのポイント」で詳しく解説しています。

相続登記について

お孫さんが成人に達する前に相続することになり、不動産の相続登記をすることになった場合は、どうすればいいのでしょうか?

前述しましたように、法的に有効な遺言書があれば、その遺言書を用いて相続登記の対応を行うことができます。登記手続自体は、未成年者であっても意思能力があれば申請が可能とされていますが、親権者等の法定代理人が代理して申請することも可能ですし、実際には法定代理人が手続を行うことも多いかと思います。ただし、本件では、CちゃんとDちゃんが未成年の場合、父であるB夫さんが親権者と思われますが、B夫さんが先に亡くなっていますので、(母の状況にもよりますが、)前提として、未成年後見人や特別代理人の選任が必要になる可能性があります。仮に遺言がなく、遺産分割が必要な場合も同様の対応が必要になることがあります。

なお、令和3年の法改正により、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記をすることが義務付けられました(法律の効力は令和6年4月に生じますが,令和6年4月以前の相続についても対応が必要です。)。また、そもそも不動産に限らず、相続手続に関しては長い間放置しておくと、いざ手続をしようとなった時に、関係者の戸籍謄本など必要書類を集めるだけで、膨大な手間がかかることにもなりかねません。
このように、相続登記はできるだけ早いうちに、専門家に相談されることをおすすめします。

相続の疑問・不満の無料相談
具体的な解決策がすぐに分かる場合もあります

初回無料相談でわかること

  • 相続手続の方法
  • 問題解決の糸口
  • もめるポイント
  • 弁護士委任費用の御見積
  • 解決までのスケジュール 

弁護士による説明が
「わかりやすい」
ご好評をいただいています

ご家族にマイナスの相続をさせないために・・・会社の破産・精算をお考えの方は

会社の経営が危機に瀕して、倒産は免れそうもない。だったら、元気なうちにキレイに会社をたたんで、相続人が債務やトラブルを抱え込まないようにしておきたいとお考えの経営者様に、御社の状況に合ったご提案、サポートをさせていただいています。お気軽にご相談ください。


ご予約・お問い合わせ

お電話でのお問い合わせ

0120-7867-30
平日9:00-17:30

インターネットからの受付

365日・24時間受付

事務所案内

大阪梅田・京都駅前・神戸(三宮)、お近くの事務所でご相談いただけます。
大阪事務所
  • 〒530-8501 大阪市北区梅田3丁目1番3号ノースゲートビルオフィスタワー14階
  • TEL:06-6348-3055
    FAX:06-6348-3056
  • 執務時間
    月~金曜日/9:00~20:00
    土曜日/9:00~18:00
京都駅前事務所
  • 〒600-8216 京都府京都市下京区烏丸通七条下ル東塩小路町735-1 京阪京都ビル4階
  • TEL:075-353-9901
    FAX:075-353-9911
  • 執務時間
    月~土曜日/9:30~18:00
神戸支店
  • 〒651-0086 兵庫県神戸市中央区磯上通8丁目3番10号 井門三宮ビル10階
  • TEL:078-242-3041
    FAX:078-242-3042
  • 執務時間
    月~金曜日/9:30~18:00
お電話でのご相談予約は
受付時間
月曜〜土曜/9:00〜17:30
0120-7867-30
※ケータイ電話からも通話無料