ご相談事例

不動産の相続登記はできるだけ早く!

父の遺言で、兄のAさんが不動産を、弟のBさんが動産を相続しました。Aさんはいずれ相続登記をしようと思っていますが、注意しなければいけない事はあるでしょうか?

お困りごと解決!
弁護士からの
アドバイス

相続登記の手続きはお早めに!

相続登記は、土地や建物などの不動産を相続した時の名義変更の手続きです。
2022年の時点では相続登記の義務や期限はありませんが、手続きをしておかないと、不動産を売ったり担保にできないだけでなく、勝手に売却されたり債権者に差し押さえられるなど、色々なトラブルに巻き込まれる可能性があります。
また、法改正により、2024年4月1日からは相続登記が義務化されます。期限内に相続登記をしないと「10万円以下の過料」のペナルティを課されるリスクが発生します。相続登記は今のうちから早めに対応しておくべきといえるでしょう。

なお、Aさんのように遺言書による相続の場合、遺産分割協議による相続よりは少ない書類で手続きを済ませることができます。いずれにしても早めに相続登記されることをおすすめします。

トラブルに巻き込まれないように

不動産は登記をしないと所有権を主張できません。登記は不動産の対抗要件です。対抗要件とは、所有権を主張する法律的根拠のことで、先に登記をした者が所有者と認められます。言ってしまえば、早い者勝ちなのです。

ここで注意しておきたいのは、
●①遺産分割協議で決めた相続分の登記は、全ての相続人の実印を押した遺産分割協議書や相続人全員分の印鑑登録証明書が必要。その他戸籍謄本、住民票、亡くなった方の出生時から死亡時までの戸籍謄本など、全ての相続人の同意と膨大な数の書類を揃えないと手続きができない。
一方で、
●② 法定相続分による共有の相続登記は、相続人1人が必要書類を揃えて申請すれば手続きができる。という点です。
②の方法を悪用されてしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。

例えば、遺産分割でAさんが土地を取得することが決まっていても、Aさんが登記を先延ばしにしている間に、弟のBさんが合意内容を無視して、自分の法定相続分である1/2の土地を勝手に登記することも可能です。この行為自体は本来無効といえるでしょう。しかし、Bさんがこの土地を第三者のCさんに売却し、事情を知らないCさんが登記してしまうと、Aさんは土地を取り戻すために訴訟を起こさなければならなくなったり、裁判の結果その土地を失ったりするリスクも発生します。

最高裁判所で争われたトラブル事例としても、以下のようなものがあります。

遺産分割協議の結果、全ての不動産を相続することになった姉のCさんが登記の手続きを済ます前に、妹Dさんの債権者が、Dさんの法定相続分の土地を「代位登記※」した上で、仮差し押さえしてしまいました。裁判の結果、「遺産分割により法定相続分と異なる権利を取得した相続人は、登記を経なければその権利取得を第三者に対抗できない」という判決が出ました(最高裁判所昭和46年判決)。相続登記の手続きを済ませていなかったCさんの土地は差し押さえられてもしかたがない、ということになったのです。
※代位登記;債権者が自分の債権を保全するために、債務者に代わって登記申請すること。

相続登記が義務化される

現時点において相続登記は義務ではないので、相続しても登記をしない方が多数存在します。
しかし相続登記が行われないと土地の所有者が不明になります。登記されない間にさらに相続が起こって権利関係が複雑になって混乱する事例も相次いでいます。

そこで法改正により、相続登記の義務化が決定しました。
2024年4月1日からは、基本的に不動産を相続したことを知ってから3年以内に相続登記しなければなりません。放置していると「10万円以下の過料」のペナルティが課される可能性もあります。

2024年4月1日より前に発生した相続のケースにも義務化の規定は適用されます。
現時点であっても、土地や建物を相続したら、早めに相続登記しておくべきといえるでしょう。

遅くなるほど手間もお金もかかります

例えば、父から相続した不動産が、祖父の名義のままだった場合には、祖父の代までさかのぼって必要書類を揃えなくてはなりません。

除籍謄本は、法改正で150年間保存されることになりましたが、それでも、死亡までのものを全て揃えるのは大変でしょう。以前の保存期間は80年でしたので、明治時代に除籍となった謄本が揃えられないといった事態もあり得ます。いすれにしても費用も手間もかかり、弁護士や司法書士などの専門家に頼まないと手に負えないことも多々あります。

登記しないで放置している間に、兄弟だけだった共有持分権者が、さらなる相続によって次々増えて行き、中には連絡の取れない人がいたりして、収拾がつかなくなる場合も珍しくありません。そうなると不動産はますます共有財産のまま放置される可能性が高まります。

現時点では期限がないので、ついつい先延ばしにしがちな相続登記の手続き。しかし後になって手に負えなくなってから専門家に任せるくらいなら、早いうちに相談して手続きをしておいた方が結局経済的です。
また2024年には相続登記に期限が設定されるので、いずれにせよ急ぐべきといえるでしょう。

登記していないと売却や担保提供ができません

相続登記を済ませていないと所有者であることが証明できませんから、売却したり、借金の担保に提供したりできません。登記未了なため、売却に良いタイミングを逃す可能性もあります。
急にお金が必要になった時に慌てないためにも、手続きは早めに済ませておくことをおすすめします。

相続登記の手続きの詳しいことは、遺産を受け取る立場の方の7.相続登記の手続きをご覧ください。

 

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