遺産相続の基礎知識

故人(相続人)の戸籍集め

相続手続きを進めるには、相続人の確定が欠かせませんが、そのためには、 ①相続人全員の現在の戸籍謄本と②故人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を、もれなく全部集めなければなりません。

請求方法

戸籍謄本は、取得したい人の本籍地の市区町村役場の戸籍課で「戸籍全部事項証明書」を請求します。請求できるのは本人、配偶者、父母や子供などで、代理人が申請するときは委任状が、それ以外の第三者が申請するときは、申請に正当な理由が認められることがそれぞれ必要です。戸籍の請求は本籍地でしかできませんが、遠方の場合は郵送でも請求できます。請求してから届くまでには1~2週間かかることもあるので、余裕をもって請求してください。 ところで、本籍地と住所は同じとは限りません。結婚などで戸籍が変わっていたり、故人が本籍地を変更していたりすることもあります。故人の家族関係が複雑な場合や、何度も本籍地を変えている場合は、さらに大変です。また古い戸籍になると、手書きで読みづらいうえに、戸籍が改製された際に情報が消えていたり、災害で焼失していたりすることもあります。戸籍には耳慣れない用語が多く、そのために手続きがわかりにくくなりがちです。基本的な戸籍用語は覚えておくといいでしょう。 出生から死亡までの戸籍謄本だけでは故人の出生から死亡までの身分関係を確定できないときは、取得した故人の戸籍謄本(除籍謄本)の記載事項をさかのぼり、前の除籍謄本や改製原戸籍謄本等を取得する必要があります。被相続人が認知した子ども(相続人)の存在を知らない場合は、見落としやすいので注意が必要です このように戸籍の収集にはとても時間がかかりますので、遅くとも四十九日法要の頃までには調査をしたほうが良いでしょう。できれば生前に相続人全員の戸籍をそろえて、「相続人関係図」を作っておくと便利です。同時に「財産目録」も作っておけば万全です。

「相続関係図」のサンプル(PDF)

法定相続情報証明制度が始まりました

これまでは、相続の各種手続をするたびに、戸籍謄本の束を窓口に提出して確認してもらう必要がありましたが、戸籍謄本の束に法定相続人の関係を一覧にした表を添えて登記所(法務局)に提出すると、内容を確認した上で、認証文付きの「法定相続情報一覧図」の写しを交付してもらえます。 これがあれば、不動産の登記だけでなく、銀行など民間の相続手続にも利用できますので便利です。交付の申し出は自分でもできますが、弁護士、司法書士などの専門家に手続を依頼することもできます。

基本的な戸籍用語

  • ①戸籍謄本…戸籍に記載されている全員を証明するもの。コンピュータで管理しているものは戸籍全部事項証明書と呼びます。
  • ②除籍…1結婚や離婚、死亡、転籍などによって、戸籍に入っていた人が抜けること、2除籍簿、の2つの意味があります。
  • ③入籍…出生や結婚などによって戸籍に入ること。
  • ④分籍…入っていた戸籍を出て、新しく単独の戸籍を作ること。
  • ⑤転籍…本籍地を別の住所に変更すること。新しい本籍地で戸籍が作られて、もとの戸籍は除籍されます。
  • ⑥除籍簿…結婚や離婚、死亡、転籍などによって、在籍者が全員いなくなった戸籍のこと。もしご夫婦が亡くなっていても、結婚していない子供がその戸籍に残っていれば、除籍簿とは呼びません。
  • ⑦除籍謄本…除籍簿に記載されている全員を証明するもの。コンピュータで管理しているものを除籍全部事項証明書と呼びます。
  • ⑧改製原戸籍…戸籍の書き方や方式は法令の改正で変わることがあり、そのときに新しい方式に書き換えます。そのことを「改製」といい、書き換え前の古い方式の戸籍を「改製原戸籍」と呼びます。
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