遺産相続の基礎知識

相続財産と調べ方

相続手続を進めるには、相続する財産がどれだけあるかもれなく調べて、遺産分割協議をする必要があります。

相続財産とは

相続財産となるのは、現金、不動産、預貯金、株式、国債などの債券、ゴルフ会員権、自動車、貴金属など。ほかに高価な美術骨董品などもあれば含まれます。 相続財産は遺産分割協議が終わるまでは、一部を除き、相続人全員の共有財産とみなされるので、勝手に処分することはできず、ほかの相続人に自分の相続分のお金を前払いしてもらうような請求もできません。 夫婦で築いた財産であっても、配偶者が亡くなれば、配偶者名義の不動産や預貯金はすべて相続財産になります。預金口座がすべて夫の名義の場合、夫が亡くなったことが金融機関にわかると、すべての口座が凍結され、必要な手続を取らない限り、葬儀費用も下ろせなくなります。日頃から自分名義の口座にお金を確保しておきましょう。 なお、自分の相続分は遺産分割前に処分できるものもあり、不動産については法定相続の相続登記をして、自分の持ち分を譲渡したり、抵当権を設定したりすることもできます。銀行預金の払い戻し等には、相続人全員の承諾が必要です。 死亡保険金は受取人固有の財産で、相続財産ではありません。死亡退職金は会社の支給規定で受取人が指定されている場合が多く、その場合は受取人固有の財産となります。

こんなものが相続財産になります

  • ①現金
  • ②預貯金
  • ③不動産(土地、家屋)
  • ④株式
  • ⑤債券(国債、公債、社債など)
  • ⑥未回収の貸金など
  • ⑦自動車
  • ⑧貴金属
  • ⑨ゴルフ会員権
  • ⑩借地権、借家権
  • ※保険(生命保険、損害保険、自動車保険など)は、死亡保険金の受取人が指定されているものは受取人固有の財産で、相続財産にはなりません。

借金や連帯保証といったマイナスの財産も、忘れず調べておきましょう。

預貯金の調べ方

相続財産を調べるにあたって一番問題なのは、預貯金口座の把握でしょうか。親御さんが亡くなった場合、メインバンクはなんとなく知っていても、銀行の支店をすべて把握している方は少ないかもしれません。しかし、遺産分割協議は財産がどれくらいあるのかわからないと始められません。生前に財産目録をつくっておいてもらうといいのですが、それがなかった場合でも、預貯金や不動産について調べることは可能です。

①残高証明書、取引履歴で確認します

まずは預貯金通帳を探しましょう
預貯金通帳が見つかったら、その通帳の口座がある支店に「預貯金残高証明書」か「取引履歴」を発行してもらいます。この手続きは、ほかの相続人の同意がなくても、単独でできます。預貯金残高証明書よりも取引履歴のほうが、入出金の記録までわかるのでおすすめです。 預貯金残高証明書や取引履歴をとるには、故人(被相続人)が亡くなっていることを証明する戸籍謄本(除籍謄本)、あなたが相続人であることを証明する戸籍謄本、印鑑証明書などが必要です。くわしくは銀行の窓口に確認してください。
通帳が見つからないときは
キャッシュカードや銀行からの郵便物、粗品のカレンダーなどがないか探してみましょう。クレジットカードや通信販売を利用したことがあれば、利用明細などに手がかりになる情報が記載されていることもあります。

②銀行や支店がわからないときは「名寄せ」で調べます

銀行はわかるけれど支店がわからないとき、または、どの銀行かもわからないときは、「名寄せ」という手続きをすると、その銀行に故人の口座があるかどうか、また口座がいくつあるかまで調べることができます。名寄せをするには、預貯金残高証明書の取得と同様に、戸籍謄本などの証明書類が必要です。 しかし銀行名がわからない場合は、ひとつひとつあたる必要があり、銀行によっては名寄せを支店ごとに行わないといけないので、手間も時間もかかります。営業も平日のみなので、お勤めの方だと難しいですね。弁護士などの専門家に遺産分割協議書の作成を依頼すれば、名寄せの手続きも任せることができます。 ちなみに、相続が発生したことがわかると、口座は凍結されてしまいます。また貸金庫も、相続人全員の同意がないと開けられなくなりますのでご注意を。

不動産の調べ方

権利証(登記済証)、固定資産税納税通知書、名寄せで確認します

所有している不動産がわからないときは、まず、権利証(登記済証)を探してください。不動産を登記したときの申請書で、登記済権利証と書いてある表紙がついているものです。最近は、権利証のかわりに「登記識別情報通知」という紙が発行される場合もあります。 どちらもない場合は、年に一度、6月頃に市区町村役場や都税事務所から送られてくる固定資産税納税通知書を探してみましょう。故人が固定資産税を支払っていた全国の不動産が一覧になっていて、固定資産税評価額や地番、家屋番号が記載されています。 それもない場合は、故人の不動産のある市区町村役場に行き、「固定資産課税台帳」をチェックします。その台帳に基づいて所有者ごとに不動産が一覧になっている「名寄帳」を調べると、未登記の物件を含めて故人が所有していた不動産をすべて確認することができます。 ただし、物件はその市区町村にあるものだけです。もし遠方に別荘などの不動産があるのなら、その別荘のある市区町村役場でしか確認することはできません。

その他

株や債券なども財産になります。株式については証券会社からの郵便物があれば、預金と同じように名寄せをすることができます。国債などの債券は、信託銀行などからの郵便物か通帳を探しましょう。
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