相続 悩みの相談室

【ご相談・その11】
2018.12.17

不動産を売却、処分するときはどんなことに気をつけたらいいですか?

売却のためにかかる費用も計算に入れておきましょう

相続した不動産を売却する場合には、気をつけたいことがいくつかあります。

まず、売却して相続人で代金を分けるにしても、いったんは誰かに(または共有で)名義変更=相続登記をしてからでないと売却できません。この登記は、遺産分割協議書や戸籍などの書類がそろっていないとできませんし、窓口で手続きをしてから日数がかかるので、買い手が現れる前にすませておくほうがよいでしょう。

また故人が田舎でひとり暮らしをしていて、誰も住まなくなった土地や家屋を処分するような場合は、誰が家を片づけるのかという問題が生じます。もし週末に通って片づけるとなると何カ月もかかり、交通費や労力の負担もかなりのもの。遺品整理などの業者に頼むのであれば、費用を誰がどのように負担するのかを決める必要があります。古い家だったら、更地にする費用も必要になるかもしれません。先祖代々の土地であれば、お隣の土地との境界がわからなかったり、面積が登記と違っていたりすることも多く、売却する前に測量し直さなければならないこともあります。こういう費用は目に見えにくいですが、整地や測量は100万円単位で、家を片づける業者の費用は数十万円かかることも多く、意外に高額なので考慮に入れておく必要があります。

売却を依頼する不動産業者は、地元に強いところがいいでしょう。適正な売却価格はわかりにくいものですが、大手の会社、長年地元で営業している不動産業者など、タイプの違う複数の業者に見積もりを依頼すると、価格の目安を知る助けになります。
ちなみに親族間などで直接売買するときは、相場からあまりかけ離れた価格にすると、安くても高くても、その差額が互いへの贈与とみなされて、贈与税がかかることがあるので気をつけてください。