相続 悩みの相談室

【ご相談・その7】
2018.12.3

相続はまだですが、兄弟や夫の身内と疎遠、険悪なので心配です

できるだけコミュニケーションをとりつつ、早めに遺言書を書いてもらいましょう

人間関係は難しい問題ですね。みなさんが悩んでいらっしゃると思います。特にお嫁さんは大変ですね。
お宅によって事情は違いますから、解決方法も人それぞれだと思いますが、関係が悪くなったいきさつが過去にあるはずなので、思い当たることがないなら、それを聞き出して解決するのがポイントでしょうか。簡単ではなさそうですが、長年の確執をほぐすには時間がかかります。相手を思いやり、歩み寄る努力を続けて、根気よくいきましょう。

一方、関係が疎遠なのであれば、今からでも年賀状や暑中見舞いを出すとか、ちょくちょく家に顔を出すなどして、コミュニケーションをとるようにしましょう。また、たとえば親御さんの介護を兄弟にまかせっきりにしているのであれば、できる範囲で手伝ったり、
家族旅行でねぎらったりしておく。そういうおつきあいをしておけば、お互いの事情もわかって、いざというときに話し合いがしやすいかもしれません。

でも親御さんの相続を想定しているのなら、やっぱり普段から実家に顔を出しておくのが一番でしょう。そして郵便物をさりげなくチェックしてみましょう。固定資産税の通知や、銀行からの郵便物を見ておけば、不動産の評価額や、銀行口座がどこにあるかといったこともわかります。そういうことって大切ですよ。私の経験では、兄弟を出し抜いて、ひとり暮らしの親御さんの郵便物を自分の家に転送しているかたもいました。
逆に、ずっと親御さんと同居していたのに出し抜かれた人も。そのかたは親御さんを介護していたのですが、別居の兄弟が「2~3日、介護を代わるよ」というのでまかせたら、その間に公証人を呼んで、公正証書遺言をつくってしまったのだそうです。そこまで強引なことをするのは、かえってトラブルのもとですが、ほかの相続人と険悪だったら、先手を打つこと自体は効果的かもしれませんね。