遺言書のトラブル事例
自分の知らない間に遺言書が作成されていたり、親族間で遺言書の内容を巡って争いが起こったり・・・遺言書が原因となって引き起こされるトラブルは実にさまざまです。ここでは、実際に起こったトラブル事例のいくつかをご紹介します。
どの事例も決して特別なことではなく、どのような家族にも起こり得るものばかりです。このようトラブルを防ぐためにも、弁護士などの専門家とタッグを組んで、万全の状態で遺言書の作成に取りかかりましょう。
こんなケースには要注意!トラブル発生の可能性が!
トラブル事例(パターンA)
遺言(身柄)争奪戦争 (1)
ご本人は、80歳のご高齢の方で、介護付き老人ホームに入所していました。子どもたちは、自営業を営んでいる方や子供の教育ローンを抱えている方といろいろな立場でした。しかし、子供の一人が借金の返済のためにご本人に援助を求めてきました。
それを知ったほかの子供は、この方も経済的に苦しかったのですが、援助の申し出のみならず親を公証人役場に連れ出して全財産を相続させる旨の遺言書を無理やり作成させました。
それを知ったほかの子供は、4名くらいの方と押し寄せて公証人役場にご本人を連れて行き遺言書を作成させました。ご本人は、結局、老人ホームに居づらくなり、退所せざるを得ませんでした…。
子どもたちは遺言だけ作らせて面倒を見ようとしなかった例です。
トラブル事例(パターンB)
遺言(身柄)争奪戦争 (2)
ご本人は、子供のうちの一人と同居していました。同居している子供は、ほかの子供たちがご本人に会ったり、旅行に連れて行くことに対して、ヒステリックに拒絶し、『会うときは自分がいないといけない』と言ってききませんでした。
ほかの子供たちは、ご本人が亡くなってから会わせない理由がわかりました。同居していた子供に全財産を相続させる自筆証書遺言が作成されており、親が新たに遺言を作成するのを阻止するためだったのです。
ほかの子供たちは、遺産調査や遺留分減殺請求に多大な労力を強いられることになりました…。